2017年12月から追いかけてきました浦和美園に建設予定の「順天堂大学医学部付属病院」について、少しずつですが情報が公開されてきていますので、簡単にまとめました。
埼玉県浦和美園地区病院の整備計画中止について
本学は、埼玉県と共に浦和美園地区に開設を検討していた(仮称)国際先進医療センター(800床)の病院建設計画を断念し、令和6年11月29日付で埼玉県に病院整備計画中止届を提出いたしましたので、お知らせいたします。
1.(仮称)国際先進医療センターの病院建設計画中止に至る経緯について
平成26年10月に埼玉県が公募した病院整備計画に関し、平成27年3月に本学の病院整備計画が埼玉県により承認されました。その後、平成30年に埼玉県と病院整備に関する確認書を締結し、病院の建設予定地の土地整備の問題やコロナ禍の影響もありながらも計画策定及び設計作業に取り組み、令和7年4月の着工、令和9年11月の開院を目指して全力で取り組んでまいりました。
本年7月に施工会社による設計の結果、概算工事費が算定されましたが、建築業界の急激な需要増や資材の高騰に加え、深刻な人手不足などの要因も重なり建築費が大幅に高騰し、さらにその他の費用も上昇した結果、総事業費が当初平成27年に予想した規模の2.6倍にあたる2,186億円に達することが明らかになりました。
一部の報道にもありますように、現在、新型コロナウイルス感染症の流行による病院運営への負の影響や、先進的な医薬品・診療材料の価格高騰などが原因で、多くの国立大学病院や都立病院では収支が赤字となり、その赤字幅が拡大する厳しい状況にあります。この厳しい状況は本学にとっても例外ではなく、令和6年4月から施行された医師の働き方改革への対応も含め、6つの医学部附属病院を抱える本学は、かつてないほどの厳しい財政状況に直面しています。
このような状況に対し、本学は全法人をあげて改善に取り組んでおりますが、現在の診療報酬の下では急速な大幅増益が見込めないことから、当該事業に充当する予定の準備資金の確保及び開設後の運営資金の捻出することが難しい事態となりました。
このため計画の見直しを行い、事業費を抑えるために予定していた看護系学部の開設や宿舎の整備・大学院棟の建設を先送りにし、まずは医師派遣の拠点となる病院棟と陽子線棟の建設を優先することにして、また病院棟の規模も当初予定していた800床から500床程度に縮小する計画案を検討いたしました。その上で新病院の開院後の事業性についての検討を行いましたが、建築費の高騰に加え現在さらには今後も続くであろう医療を取り巻く厳しい環境を鑑みると、上記計画案の見直し等の諸検討によっても、埼玉県民の皆様に貢献することができるための最先端医療機能を備え、かつDXを活用した未来型基幹病院の開設は到底困難な見通しであることが明らかとなりました。
2.結論として
本学は、当地における病院開設に向けて、上記のとおり種々の検討を尽くしてまいりましたが、以上の事情により計画を断念せざるを得なくなりましたことは、本学にとって断腸の思いであります。
これまで本計画の実現に向けてご協力いただいてきた埼玉県の大野元裕知事そしてさいたま市の清水勇人市長をはじめ多くの関係者の皆様、そして病院開設に大きな期待を寄せていただいた埼玉県民の皆様には、ご期待に沿えない結果となり心よりお詫び申し上げますとともに、本計画を断念せざるを得なくなった上記諸事情につきご理解をいただきますようお願い申し上げます。
以上
令和6年11月29日
順天堂大学
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病院建設の動向
- 2018年03月 着工1年以上延期が決定
- 2018年12月 平成30年度第2回さいたま市地域医療構想調整会議
- 2019年06月 誘致の進捗状況
- 2019年6月~9月 木下大サーカス公演
- 2020年01月 『順天堂だより第308号』に病院建設について掲載される
- 2020年11月 自動運転バス公道実証実験の実施
- 2021年12月 順天堂大学、計画の変更申請を年内提出へ さいたま市長に説明
- 2022年01月 当初の計画より8年遅れの令和11年度(2029年度)中の開院を目指す
- 2022年01月 令和3年度第3回さいたま市地域医療構想調整会議
- 2022年02月 順天堂 開院時期 計画よりも1年半前倒しと回答(2028年9月頃完成予定)
- 2022年04月 県医療審議会 順天大付属病院計画変更案を承認(2027年11月開院予定)
- 2023年12月 県医療審議会 順天大付属病院計画基本設計公開(2027年11月開院予定)
- 2024年01月 地域住民への説明会開催
- 2024年08月 整備費当初の4倍「2000億円超」に…開院時期も「20か月遅れ」を提示
2018年03月 着工1年以上延期が決定
2018年3月29日に埼玉新聞で以下の内容が取り上げられました。
引用:埼玉新聞 2018年3月29日
県内最大級の病院・順天堂大学付属病院、着工1年以上延期 病院建物の延べ床面積増で環境アセス必要になり
県内最大級の病院・順天堂大学付属病院、着工1年以上延期 病院建物の延べ床面積増で環境アセス必要になり
県内の医療提供体制を審議する県医療審議会は28日、順天堂大学(東京都文京区)がさいたま市緑、岩槻区にまたがる浦和美園地域に建設予定の医学部付属病院について、予定していた3月までの着工を延期する計画変更を了承した。同市の条例に基づく環境アセスメントを実施する必要性が生じたことなどが要因。県は「環境アセスには1年半から2年かかるとみられ、着工は少なくとも1年以上は遅れるのではないか」とみている。大学は2020年度中の開設を目指していたが、ずれ込む可能性が高まった。
2018年12月 平成30年度第2回さいたま市地域医療構想調整会議
2018年12月12日に開催された「平成30年度第2回さいたま市地域医療構想調整会議」において、順天堂大学医学部付属埼玉国際先進医療センター(仮称)の病院プレゼンテーションが行なわれました。
→ 参考資料 https://www.city.saitama.jp/002/001/017/002/p060487_d/fil/H30-2siryou.pdf
診療科目
総合診療科、循環器内科、消化器内科、呼吸器内科、腎・高血圧内科、膠原病・リ ウマチ内科、血液内科、糖尿病・内分泌内科、メンタルクリニック、脳神経内科、 小児科、外科、呼吸器外科、心臓血管外科、乳腺科、小児外科、脳神経外科、整形 外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、産婦人科、放射線科、救 急科、麻酔科・ペインクリニック、リハビリテーション科、その他
施設計画コンセプト
機能性・快適性
安心、快適に医療を受けられるア メニティの高い環境づくりとスタッフが連携しやすい院内配置 とすることにより、医療機能を最大限に発揮できる施設とします。
地域貢献・街なみ配慮
地域医療の人材育成機能の 設置や周辺街なみに配慮した外観デザインなど地域の核となり親しみがもてる施設とします。
経済性・環境配慮
エネルギー消費を抑え、地球環 境に配慮したエコ・ホスピタルを実現します。
安全性・防災機能
免震構造の採用や自立したライ フラインの確保など、災害時においても医療が継続できる施設 とします。
病院の特徴
救命救急機能
脳卒中、心疾患、外傷などの救急患者の受け入れ体制を整備し、迅速・適切に対応するため高度な救命救急機能の充実を図ります。
小児救急機能
小児救急拠点病院に向けて夜間救急を含む小児救急患者に適切な対応を行います。
周産期医療
地域周産期母子医療センターとしての認定に向けてNICUやLDRの整備に努め、周産期救急やハイリスク分娩などに適切に対応します。
がん対策
地域がん診療連携拠点病院の指定に向けて、外科手術、化学療法、 放射線治療等がんに対する集学的治療を提供するとともに、低侵襲 治療に取り組みます。チーム医療も推進し、総合病院として合併症 を持ったがん患者に対する医療に適切に対応します。
災害拠点病院としての機能
BCPに基づき免震構造による建物を建設し、自然エネルギーを活用 した水・電気等のライフラインを確保するとともに、敷地内に医療 関係者の宿舎を整備して災害時における要員の確保を図り、災害拠 点病院として県民の安心・安全の確保に努めます。
予防・健康増進機能
本学スポーツ健康科学部・スポートロジーセンター等と連携し、病気になる前の予防対策としての健康増進やロコモティブ対策に取り組みます。
医療従事者予定数
1,270名(医師220名、看護師830名、その他150名、事務職員70名)
大学院の設置
大学院医学研究科(さいたまキャンパス)の開設
入学定員60名(総定員240名)
2019年06月 誘致の進捗状況
情報提供:にごりほのかさん
順天堂大学医学部附属病院の分院誘致の進捗状況とタイムスケジュールについて
順天堂大学が貸与を要望している土地は3区画にまたがっています。 このうち1区画は、貸与予定地として県議会の御同意を得て平成28年度末までに県が取得しました。 さらに残り2区画は、さいたま市が平成29年6月に市議会の議決をいただき、公益的施設用地として取得しています。 また、基本設計の着手に当たり、これまで大学は浦和美園駅から新病院までの交通アクセスなどを懸念していました。 しかし、今年4月に順天堂理事長自ら現地を視察し、その折、理事長が関係者から交通アクセスやまちづくりの取組について説明を受けたところです。 その結果、大学において建設推進のための医師を含むプロジェクトチームを設置することが決まり、その旨6月5日に直接知事に報告がありました。 今後は、順次、基本設計や環境アセスメントに進んでいく予定で、建設に向けて一歩踏み出したものと考えています。 県議会の御協力をいただきながら着実に進んできたものでございます。 第7次埼玉県地域保健医療計画の終期である2023年度末までには開院していただけるよう取り組んでまいります。
2019年6月~9月 木下大サーカス公演
病院建設がなかなか進まない中、この敷地を利用して「木下大サーカス」が2019年6月29日~9月23日で公演します。
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2020年1月 『順天堂だより第308号』に病院建設について掲載される
2020年1月に発行の『順天堂だより第308号』に順天堂大学医学部付属埼玉国際先進医療センター(仮称)について掲載されました。
【トピックスⅡ:埼玉・浦和美園プロジェクト 】
『順天堂だより第308号』抜粋 2020年1月
トピックスⅡとして、埼玉・浦和美園プロジェクトをご紹介します。病院不足と医師不足を補う目的で埼玉県が公募した大学病院と大学院整備計画に応募したところ、本学の計画が医療審議会で採択され、平成 30(2018)年 3 月に埼玉県と整備に関する確認書を締結しました。
埼玉県から埼玉スタジアムに近い土地の提供を受けました。この周辺は住宅や小学校、幼稚園が多くあり、子どもたちが多い場所で大変活気があります。埼玉高速鉄道の浦和美園駅から徒歩 10 分ほど、駅からのシャトルバスを走らせることも検討頂いています。東北自動車道の浦和 IC から車で 10 分、順天堂越谷病院から車で 30 分という場所にあります。
【 病院整備計画の主な概要 】
この順天堂大学医学部附属埼玉国際先進医療センター(仮称)は、2 期に分けて建設工事を予定しています。Ⅰ期、Ⅱ期で 400 床ずつ病棟を作り、最終的には一般病床 800 床、診療科は 28 科の病院となります。医療機能として、①救命救急センター機能、②小児救急機能、③周産期医療、④がん対策、⑤災害拠点病院としての機能を持つ病院になります。
病院施設の概要としては、鉄骨鉄筋コンクリート造 9 階建て、免震構造の建物で、延床面積は(Ⅰ期工事 53,000㎡、Ⅱ期工事 37,000㎡)合計 90,000㎡です。病院施設の他に、医学系大学院の教育施設・研究施設、医療系学部施設、教職員と学生用の宿泊施設、がんなどの治療ができる陽子線治療施設、そして立体駐車場を作る予定です。
2020年11月 自動運転バス公道実証実験
画像引用:埼玉高速鉄道株式会社
自動運転バス公道実証実験を実施
~順天堂大学病院開設に向けた地域交通プロジェクト!~埼玉高速鉄道株式会社(さいたま市 代表取締役社長:荻野 洋)は、浦和美園地域における順天堂大学病院開設に向けた地域交通プロジェクト「自動運転バス公道実証実験」を2018年及び2019年に引き続き実施いたします。
自動運転バス公道実証実験を実施~順天堂大学病院開設に向けた地域交通プロジェクト!~ | 埼玉高速鉄道 埼玉スタジアム線 | 都心直結、埼玉スタジアム直結
この実証実験は、順天堂大学病院(開設予定)や埼玉スタジアム2○○2、イオンモール浦和美園など各拠点施設間のアクセスの改善やラストワンマイル・地域交通の発展に寄与するものと考えています。
日時:2020年11月9日(月)~11月13日(金)
10:00~17:00(40分間隔で運行、12~13時除く)※荒天の場合中止あり
場所:浦和美園駅(発着)~周辺拠点施設間を結ぶ運行
内容:
自動車用運転自動化システムレベル分類・定義による
レベル4の機能を有する車両においてレベル2での実施
(更新)群馬大学の自動運転技術バスの運行
(更新)日本信号のインフラと車両の連携技術
(新規)ジョルダンのモバイルチケット地域型MaaS
(新規)日本信号の顔認証システム
(新規)セグウェイの次世代モビリティ試乗 など
浦和美園の信号がいつの間にかハイテクになってたのか。
— たけぽん(文化人) (@hirahira555) December 5, 2020
今度見てみよう。https://t.co/xhrb5Nsn4R pic.twitter.com/mfKiZM93FD
2021年12月 順天堂大学、計画の変更申請を年内提出へ さいたま市長に説明
天野篤理事が担当の新病院、建設へ一歩前進 順天堂大学、計画の変更申請を年内提出へ さいたま市長に説明
さいたま市の美園地区に計画されている順天堂大学医学部付属病院を巡り、新病院を担当する同大学特任教授の天野篤理事らが20日、さいたま市役所を訪れ、清水勇人市長と面会した。会合は非公開で行われ、天野理事は新病院建設に関する計画変更申請書を年内に県に提出することなどを説明したという。2015年に当初計画が提出されてから、延期していた病院誘致が具体化する見通し。県や市関係者は「建設に向けて一歩前進」と歓迎している。
埼玉新聞 2021年12月21日
2022年01月 当初の計画より8年遅れの令和11年度(2029年度)中の開院を目指す
着工延期の大学病院 8年遅れの開院目指すことに さいたま
さいたま市緑区に開設が予定され、着工が延期されていた大学病院の新たな建設計画が埼玉県に提出され、当初の計画より8年遅れの令和11年度中の開院を目指すこととなりました。
NHK 2022年1月6日
2022年01月 令和3年度第3回さいたま市地域医療構想調整会議
2022年1月17日(月)19:30より「令和3年度第3回さいたま市地域医療構想調整会議」が行われ、第6次地域保健医療計画に基づく病院整備計画の計画変更について((仮称)順天堂大学医学部附属埼玉国際先進医療センター)について話し合われました。
土地利用
画像引用: 令和3年度第3回さいたま市地域医療構想調整会議
整備スケジュール
基本設計 (設計者選定含む) | ~2023年3月 |
基本設計 | 2023年4月~2024年6月 |
実施設計 | 2024年7月~2026年3月 |
建設工事 | 2026年4月~2028年12月 |
開院 | 2029年4月(400床) 2030年3月(800床フルオープン) |
事業変更
2018年3月28日時点申請内容
病院建物 | 延床面積 90,000㎡ (うちⅠ期53,000㎡) |
立体駐車場 | 延床面積 12,300㎡ |
医系大学院教育・研究施設 | 延床面積 6,600㎡ |
医療系学部施設 | 延床面積 10,000㎡ |
教職員・学生用宿泊施設 | 延床面積 10,000㎡ |
陽子線治療施設 | 延床面積 5,000㎡ |
2021年12月24日時点申請内容
病院棟 | 延床面積 90,000㎡ |
大学・大学院棟 (教職員・学生用宿泊施設含む) | 延床面積 26,000㎡ |
陽子線治療施設 (さいたま国際陽子線治療 研究センター) | 延床面積 5,000㎡ |
立体駐車場 | 延床面積 15,600㎡ |
ヘリポート関連施設 | 延床面積 (屋外) |
2022年02月 順天堂 開院時期 計画よりも1年半前倒しと回答(2028年9月頃完成予定)
開院時期 計画よりも1年半前倒しと回答/埼玉県
県がさいたま市内に誘致を進める順天堂大学医学部附属病院の建設が大幅に遅れていることについて、大野知事は、大学側から計画よりも1年半前倒しするとの回答があったことを明らかにしました。
病院は当初、2018年3月までに着工する計画でしたが、用地買収などに遅れが生じ、大学側は去年12月、2026年の着工と2030年3月の開院を目指すとした計画案を県に再提出していました。
しかし、2月行われた県の医療審議会で、計画の遅れに対し委員から批判の声が相次ぎ、事務局の県が開院の時期を早めることができないか、質問状を送っていました。
テレビ埼玉 2022年2月24日
2022年04月 県医療審議会 順天大付属病院計画変更案を承認(2027年11月開院予定)
県医療審議会 順天大付属病院計画変更案を承認/埼玉県
県の医療審議会は、浦和美園地区に誘致する順天堂大学附属病院の変更した整備計画案を条件付きで認めました。
テレビ埼玉 2022年4月19日
順天堂大学附属病院の当初の整備計画は、2024年3月末までに開院を目指すとしていましたが、着工が大幅に遅れたため2030年3月末までに変更する計画を、去年12月に県に提出していました。
しかし医療審議会はこれを批判し、開院時期の前倒しの検討のほか、医師が不足している地域に派遣する時期を明確にするよう、病院側に説明を求めていました。
19日の審議会で、県の保健医療部は800床を用意し、2027年までに開院するとした病院側の回答を報告しました。
また、医師派遣について病院側は「県側からの要望を強く受け止め、県と協議の上で今年度中の実施を具体化していく」としています。
これを受け県医療審議会は、病院整備計画の変更を認めました。
一方で、病院側が途中経過を説明せずに、開院時期を遅らせるとした計画の変更を突然、審議会に示した経緯から、今後は計画の行程を定期的に審議会に報告する条件をつけました。
2022年11月 順天堂浦和美園キャンパス(仮称)等整備事業に係る環境影響評価調査計画書の縦覧を行います
順天堂浦和美園キャンパス(仮称)等整備事業に係る環境影響評価調査計画書の縦覧を行います/さいたま市
順天堂浦和美園キャンパス(仮称)等整備事業にかかる環境影響評価調査計画書が学校法人順天堂からさいたま市長に提出されました。
この調査計画書を、次のとおり縦覧します。
なおこの調査計画書は、環境影響評価を実施するにあたり学校法人順天堂が作成したものであり、著作権は同法人にあります。著作権者の許可を得ずに、転載、複製、転用等を行わないでください。1 対象事業の概要
(1) 事業者の名称 学校法人順天堂
(2) 事業の名称 順天堂浦和美園キャンパス(仮称)等整備事業
(3) 事業の種類及び規模 大規模建築物の建設 21万平方メートル
研究施設の建設 7.66ヘクタール
(4) 事業実施区域 さいたま市緑区美園及び岩槻区美園東
(5) 関係地域の範囲 さいたま市緑区及び岩槻区のうち対象事業実施区域の周囲1.5キロメートルの範囲2 縦覧場所
(1) さいたま市役所 環境対策課
(2) 各区役所 情報公開コーナー
(3) 各市立図書館
(4) 美園公民館、美園コミュニティセンター、岩槻南部公民館
なお、(1)及び(2)の場所では図書の貸出しも行っています。3 縦覧期間及び時間
(1) 期間 令和4年11月14日(月曜日)から令和4年12月14日(水曜日)まで
(2) 時間 さいたま市役所、区役所については午前9時から午後4時30分まで
ただし、土曜日、日曜日、祝日を除きます。
図書館、公民館、コミュニティセンターについては、各施設の開館日、開館時間によります。4 意見書の提出
さいたま市 2022年11月14日
意見書は、ダウンロードファイルの参考様式をお使いいただくか、任意の用紙に必須事項を記入して、以下の通り提出してください。
(1) 必須事項 住所、氏名(法人にあってはその名称、代表者の氏名、主たる事務所の所在地)
準備書に記載されている対象事業の名称
準備書についての環境の保全の見地からの意見
(2) 受付期間 令和4年11月14日(月曜日)から令和4年12月28日(水曜日)まで
(3) 提出方法 郵送、ファックス、電子メールのいずれかにより、受付期間中に提出してください。
(郵送の場合は当日消印有効とします。)
(4) 提出先 郵便番号113-8421 東京都文京区本郷2-1-1
学校法人順天堂 大学キャンパス・ホスピタル再編事業事務局
順天堂浦和美園キャンパス(仮称)等整備事業 環境影響評価調査担当
ファックス 03-5684-1932
電子メール urawamisono-kankyoassess@juntendo.ac.jp
病院の概要
2022年1月17日(月)19:30より「令和3年度第3回さいたま市地域医療構想調整会議」が行われ、第6次地域保健医療計画に基づく病院整備計画の計画変更について((仮称)順天堂大学医学部附属埼玉国際先進医療センター)について話し合われました。
→ 参考資料 https://www.city.saitama.jp/002/001/017/002/p082166_d/fil/siryouissiki3.pdf
診療科目
総合診療科、循環器内科、消化器内科、呼吸器内科、腎・高血圧内科、膠原病・リウマチ内科、血液内科、糖尿病・内分泌内科、メンタルクリニック、脳神経内科、 小児科、外科、呼吸器外科、心臓血管外科、乳腺外科、心臓血管外科、小児外科、脳神経外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉・頭頸科、放射線診断科、放射線治療科、産婦人科、救急科、麻酔科・ペインクリニック、リハビリテーション科、歯科口腔外科、その他
センター 及び拠点病院(予定)
- 救命救急センター
- 周産期母子医療センター
- 災害拠点病院
- 小児救急拠点病院
- エイズ診療拠点病院
- 地域がん診療連携拠点病院
- さいたま国際陽子線治療研究センター等
医療機能
救命救急センター機能
脳卒中、心疾患、外傷などの救急患者の受入体制を整備し、迅速、適切に対応するため救命救急センター機能の充実を図ります。(救命救急センター病床20~25床)
小児救急機能
小児救急拠点病院として夜間救急を含む小児救急患者に適切な対応をします。
周産期医療
高齢出産の増加や周辺産科病院の減少を踏まえ、周産期母子医療センターを整 備し、 周産期救急やハイリスク分娩などに適切に対応します。 NICUやLDRの整備に努めます
がん対策
地域がん診療連携拠点病院として外科手術、化学療法、放射線治療等がんに対 する集学的治療を提供するとともに、低侵襲治療に取り組みます。 チーム医療 も推進し、総合病院としてがん以外の合併症を持った患者に対する医療も対応します。
放射線診断治療の機能の充実を図ります (さいたま国際陽子線治療研究センタ一)。 最先端治療機器を使ったがんの高度先進治療の提供を検討します。
災害拠点病院としての機能
BCPに基づき免震構造による建物を建設し、自然エネルギーを活用した水・電気等のライフラインを確保するとともに、敷地内に医療関係者の宿舎を整備して災害時における要員の確保を図り、災害拠点病院として県民の安心・安全の保に努めます。
最先端診断・治療機能
AIを活用したデジタル診断技術、ロボット技術、 再生医療 (人工組織、人工臓器)、低侵襲治療、地域医療との連携を含めた次世代ヘルスケアシステム 等、最先端の医療の導入を検討して、若い医師が集う病院を目指します。
感染症対応機能
コロナに遭遇した経験を糧に再び新興感染症に直面した時に迅速に対応でき るハード・ソフトを備えたパンデミックレディの機能を持つ病院を目指します。
スポーツと医学の融合知による新たな予防医学機能
前スポーツ庁長官鈴木大地教授が機構長となり新たに発足した 「順天堂大学スポーツ健康医科学推進機構」 がコアとなり、 スポーツと医学の融合による健康寿命の延伸に向けたウェルネスな生活、 予防医療を育む環境を整え埼玉県が掲げる「スポーツがつくる活力ある埼玉」 と埼玉スタジアムを中心とした浦和美園地区のスポーツ振興に寄与します。
また、スポーツ振興に伴う性差を超えた医学的見地が高まっており、主とし て女性に関わる種々課題をターゲットにして問題解決する拠点整備を進めていきます。
医療スタッフ養成支援機能
教育、研究、 臨床研修、専門医や専門看護師の認定、 総合医育成、 検査技師 の訓練、派遣先との調整、生涯を通したスキルアップ、 派遣医師の不安解消の ための施設、設備機能の強化を図っていきます。
オープンイノベーション機能
企業と連携して先進的な医療 医学研究が出来る研究施設を病院に併設して、浦和美園を中心とした産学連携拠点づくりを目指します。
医療従事者予定数
1,583名(医師300名、看護師800名、その他483名)
大学院の設置
大学院医学研究科(さいたまキャンパス)の開設
入学定員60名(総定員240名)
▼設置予定の主な研究センター
- さいたま国際陽子線治療研究センター
- 遺伝子診断・治療開発研究センター
- 先端ゲノム研究センター
- 再生医療研究センター
- 災害医学研究センター
▼ 医療系学部の設置
- 看護師・保健師養成学科(入学定員160名<予定>)
- リハビリテーション要員養成学科(入学定員120名<予定>)
▼ 教職員・学生用宿泊施設
2023年12月 県医療審議会 順天大付属病院計画基本設計公開
公開された主な内容
- 部門・諸室リスト
- 配置計画
- 階層構成
- 1階平面計画
- 2階平面計画
- 3階平面計画
- 4階平面計画
- 5階平面計画
- 病棟平面計画
- 外装計画
- 断面計画
- 内部導線計画
- 内装計画
- 災害対策
- 環境計画
- 感染対策
- 医療安全対策
2024年01月 地域住民への説明会開催
順天堂大学附属病院整備の経緯
2014(H26).10 | 埼玉県が病院整備計画を公募 |
2015(H27).01 | 順天堂大学が病院整備計画を提出。平成 30 年1月着工。令和3年3月開院予定 (当初 400 床を整備。まず 200 床で開院、残りの 200 床は周辺状況を勘案し順次開院。残り 400 床は周辺の開発状況・人口増加を考慮のうえ、病棟の増設工事を計画。) |
2015(H27).03 | 埼玉県医療審議会が順天堂大学附属病院整備計画の採用承認を答申 |
2015(H27).03 | 埼玉県が順天堂大学附属病院整備計画の採用を決定 |
2018(H30).03 | 順天堂大学が病院整備計画の変更を県に申請 (整備スケジュールについて、「現在、作成中」) |
2018(H30).03 | 埼玉県医療審議会が病院整備計画の変更を承認 |
2020(R02).01 | 埼玉県が医療審議会にて、順天堂大学が2024(令和6)年3月開院を目指していることを報告 |
2021(R03).02 | 埼玉県医療審議会がスケジュールを明確にするよう埼玉県に指示 |
2021(R03).12 | 順天堂大学が病院整備計画の変更を埼玉県に申請 開院:2029(令和11) 年4月(400 床)、2030(令和12)年3月(800 床フルオープン) |
2022(R04).01 | 埼玉県医療審議会が病院整備計画の変更について、順天堂大学に整備スケジュールの前倒し及び医師派遣の実施時 期を照会 |
2022(R04).02 | 順天堂大学から埼玉県医療審議会からの照会に対し、次のとおり回答 ・病院の開院時期については前倒しする旨回答 (令和9年9月に 400床開院、残り400床は外来・入院患者の来院実績を見て令和10年9月に開院) ・医師派遣については新病院の地域への定着及び運営状況の安定の後実施 |
2022(R04).03 | 埼玉県医療審議会が病院整備計画の変更について、順天堂大学に対し、 ・令和9年までの 800 床の開院 ・令和4年度中からの医師派遣開始 を照会 |
2022(R04).04 | 順天堂大学から令和9年までの 800 床開院及び令和4年度中からの医師派遣実施につき示されたことから、医療 審議会が条件付きで病院整備計画の変更を適当と認める答申 【条件】 1 申請者は令和9年までに 800 床の病院を開設すること 2 申請者は令和4年度中に医師の派遣を開始すること 3 申請者は、具体的な月ごとのスケジュールを作成し、進捗状況を1か月ごとに報告すること |
2022(R04).04 | 埼玉県が順天堂大学の病床整備計画の変更について承認 |
2022(R04).04 | 埼玉県が順天堂大学に派遣を希望する5病院に対し医師派遣を要請 |
2022(R04).11 | 基本設計開始 |
2023(R05).02 | 2023(令和5)年2月から済生会加須病院に対し、医師派遣が開始 |
2023(R05).09 | 医師派遣について、順天堂大学から開院後3年までは年間1~2名、3年後からは5名程度、5~6年後には20名 程度を目途とする派遣計画が提示 |
2023(R05).11 | 基本設計完了 |
2023(R05).12 | 実施設計開始 |
2024年8月 整備費当初の4倍「2000億円超」に…開院時期も「20か月遅れ」を提示
順天堂大の新病院、整備費当初の4倍「2000億円超」に…開院時期も「20か月遅れ」を提示
埼玉県が誘致を目指している順天堂大学医学部付属の新病院を巡り、同大が整備費のさらなる増額を県側に伝えていたことが、複数の関係者への取材でわかった。約1400億円としていた整備費は「2000億円超」に、開院時期は2027年11月から「20か月遅れる」としている。開院できるか疑問視する声が関係者からさらに強まりそうだ。(伊賀幸太、立原朱音)
関係者によると、同大は今夏、大野知事宛てにメールを送った。設計・建設業者の見積もりで、整備費が2000億円超に膨れ上がる旨が記されていたという。
病院の新設が決まったのは15年。当初、約400億円の見込みだった整備費は、その後の資材高騰などで約1400億円になるとみられていた。さらなる増額見込みとなり、5倍超まで膨らむことになる。
開院時期について、当初は「20年度」としていた。今回の変更で9年程度、遅れる見通しとなっている。
上田清司・前知事は18年、「大学が将来的に実施する医師派遣などの取り組みを勘案し、整備費の2分の1以内を補助する」とした確認書を同大と交わした。大野知事は具体的な補助額について明言を避けているが、「県の負担をさらに増やすのは難しい」(県幹部)のが実情だ。
同大は、さいたま市の緑区と岩槻区にまたがる約7・7ヘクタールの土地に、9階建ての病棟、4階建ての外来棟などを備える計画を示している。ヘリポートやVIP専用のロータリーなども設ける考えで、県関係者から「計画の全てを実現するわけにはいかないだろう」との声も漏れている。
同大の今後の整備方針について、県は早急に確認したい考え。医療関係者や県議らでつくる県医療審議会を開き、「20か月遅れ」を認めるか協議する。
大野知事は近く、今回の経緯などを説明する予定だ。
読売新聞オンライン 2024年8月21日
まとめ
建設に向けては、順天堂大学側の要望がいくつかあり、その要望をどのようにクリアにしていくか、まだまだ問題は山積みではありますが、
どのような病院ができるか、とても気になっていたいました私にとって、調整中とはいえ、今回のこの情報でどのような病院かイメージすることができるものでした。
2019年12月29日に近隣の総合病院、さいたま市立病院が建て替えを終え、「高機能医療施設」へと変わりました。
当面は、浦和美園エリアの高機能医療は、さいたま市立病院を中心とした対応となってくると思いますが、「順天堂大学医学部付属埼玉国際先進医療センター」が当初の計画よりも8年遅れの2027年11月に完成すると近隣エリアが「医療の充実した街」へと変わって行くと思います。
順天堂大学医学部付属埼玉国際先進医療センター(仮称)の基本情報
建物名 | 順天堂大学医学部付属埼玉国際先進医療センター(仮称) |
所在地 | 埼玉県さいたま市緑区美園3-2 |
アクセス | 埼玉高速鉄道線「浦和美園」東口 徒歩12分 |
開院予定 | 2023年度末 ⇒2029年度中 ⇒2028年9月頃 ⇒2027年11月頃 |
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いわき湯本生まれ/文京区育ち/浦和美園在住